ある夜、なりゆきではじまった記憶喪失の青年との同居生活。<br />それは真奈美にとって、住処を提供する代わりに苦手な家事を肩代わりしてもらうという契約関係のはずだった。<br /> 美味しいご飯とお酒、たわいもない会話を交わす温かい日常を過ごすうち、惹かれあい、いつしか恋人へ発展したふたり。<br />けれど、好きになればなるほど「記憶を取り戻したい」「夢なら早く覚めて欲しい」という彼の願いが真奈美の心をかき乱し――。<br /> これは、不確かで甘く切ない恋物語。<br />