13歳で心臓移植を受けた僕は、それ以降、自分が女の子になる夢を見るようになった。<br /> きっとこれは、ドナーになった人物の記憶なのだと思う。<br /> 明るく快活で幸せそうな彼女に僕は、瞬く間に恋をした。<br /> それは、決して報われることのない恋心。<br />僕と彼女は、決して出逢うことはない。<br />言葉を交すことも、触れ合うことも、叶わない。<br />それでも―― 僕は彼女と逢いたい。<br /> 僕は彼女と言葉を交したい。<br /> 僕は彼女と触れ合いたい。<br /> 僕は……彼女を救いたい。<br />