室町から続く能楽家に生まれた綾は、女ながら能楽師になりたいと志すかたわら女子英学塾にも学び、たぐいまれな審美眼をもつ才媛へと成長する。<br />そんな折、綾は親友同士である魅力的な2人の学生、重光伊織と高見友則と出会う。<br />3人での輝くような青春の日々が過ぎ、やがて綾は伊織と友則、どちらかを選ぶ時がくる――。<br />結婚、渡英、そして1920年代のパリへ。<br />真の上流が繰り広げる、絢爛たるロマンスと人生! 『花精の舞』改題。<br />解説・宮内美樹(観世流シテ方能楽師)