大正十三年、春。<br />少年、椚雪緒は、上京した先の夜鳴川邸にて美しき白蛇に出会う。<br />彼女は父である八頭八尾の大蛇、「十六夜」の決めた縁談から逃れるため、妖相手に商売をする「化猫堂」へ助力を求めに来たと云う。<br />化猫堂の店主、夜鳴川夜霧と猫のミタマ様に連れられて、雪緒は妖達の住まう「常夜之町」へ乗り込むが、そこは人の世の常識が通じぬ異境だった――!関東大震災後の横浜を舞台に、人と妖の縁を紡ぐ大正伝奇ロマン。<br />