光炎の人【上下 合本版】
時は明治。
徳島の貧しい葉煙草農家に生まれた少年・音三郎の運命を変えたのは、電気との出会いだった。
朝から晩まで一家総出で働けども、食べられるのは麦飯だけ。
暮らし向きがよくなる兆しはいっこうにない。
機械の力を借りれば、この重労働が軽減されるはず。
みなの暮らしを楽にしたい――。
「電気は必ず世を変える」という確信を胸に、少年は大阪へ渡り、すべての情熱を開発に注ぐ。
そんな彼を待っていたのは、日本を揺るがすことになる、あの歴史的大事件だった――。
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