江戸時代、武家社会を中心に男どうしの恋は公然のふるまいとされていた。<br />そのなかでも王道の組み合わせは、おじさんと美少年である。<br />三角関係のもつれ、容色の衰えによる歌舞伎若衆の悲劇や役者の苦労話……男たちの恋物語を西鶴が浮世草子に活写。<br />美貌を誇った少年たちの末路は、恋に殉じての切腹や、この世の無常をはかなんだ出家しかないのか。<br />近世文学「異色」の最高傑作、初の文庫化。<br />上方文化に精通した小説家の抄訳版。<br />