1枚の写真と短い文章で世界を創作する「フォトライター」の沢原。<br />連載は人気を得ているが、自分自身の手応えが徐々に弱まってきていることに焦りを覚えていた。<br />カメラを手にやみくもに街を彷徨い歩いた彼が出会ったのは、人の「顔」が怖くなった廃業寸前の殺し屋で――。<br />(「鏡の顔」)削ぎ落された文体で透明感のある街と人を描く、初期大沢ハードボイルドの金字塔。<br />日本冒険小説協会最優秀短編賞を受賞した、全5編の作品集。<br />