満月と近鉄
小説家を志して実家を飛び出し、生駒山麓のアパートに籠もっていた「私」は寺の参道で謎めいた女性に出会う。
その女性は万巻の書物に囲まれて暮らしていたが、厳しい読み手でもあった。
私は彼女に認められたい一心で小説を書き続けるが……(表題作)。
斑鳩の里に現れたひとりの青年、ベトナム戦争からの帰還兵ランボーは、己を戦場へ押しやった蘇我氏への復讐を胸に秘めていた(「ランボー怒りの改新」)。
奈良を舞台に繰り広げられるロマンと奇想に満ちた4篇。
本書を発表したのち沈黙を続ける鬼才の唯一の著作。
仁木英之による解説、森見登美彦との対談を収録。
(『ランボー怒りの改新』改題)
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