探偵くんと鋭い山田さん
新学期――俺は失敗した。
親の仕事が探偵だと口走ってしまったせいで、クラスメートから相談が持ち込まれるようになったのだ。
絶版した小説の犯人当て、美術部で振るわれたナイフの謎、面倒なことになったと頭を抱える俺だったが--「それさ、そもそも事件じゃないね?」「多面的な考え方も取り入れたらどう? 戸村君」何があっても山田姉妹は平常運転、鋭い推理でスパッと解決していく。
最初は気に食わなかったけど、本気で推理する彼女たちは今では尊敬の対象だ。
……が、話すときの距離、近すぎない!? 熱くなるのは分かるけど、これ完全に狙ってるよね!?山田さんたちと俺の少し甘めな、本格派学園ミステリー。
【担当編集者コメント】第15回スニーカー大賞《大賞》受賞作家作品とあって、さすがの読み応えです。
特に、憂鬱なことを考え方一つで楽しくひっくり返す、山田さんの思考力は圧巻。
嫁にしても、彼女にしても、幼なじみにしても、こんな切れ者はいません。
隣に置きたい。
オススメしたい読者様は、・10代後半?最近の《沼あま》ラブコメ設定とは違った雰囲気をお探しの方。
・30代?青春学園ものの古き良き頃をご存じの方(まさにそれって空気感です)。
思考を巡らせる面白さを追求したので、児童文庫からのランクアップにもぜひ。
【電子特典】として、短編「訊かないでほしいことほど訊かれる気がするのはたぶん、訊かないでほしいことを訊かれた時だけ記憶に残るから」を収録。
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