今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。
生原小織。
怪しげな露天商ナナさんの店でバイトをしている、正体不明・詳細不明・神出鬼没の後輩……のはずだった。
そんな彼女が、病院で眠り続ける「思い出せない僕の親友」と同じ名前・顔をしているという。
この不可思議な状況、「生原小織」は間違いなく《星の涙》を使っている、はずだ。
「私の――生原小織の願いを否定してほしいんだ」僕は何もかもを忘れてしまっていた。
「生原小織」の素顔、口調、性格、彼女と僕の関係。
彼女が何を想い、何を願って《星の涙》に縋ってしまったのか。
それら全てに、全ての感情に蓋をしてきたのだ。
そして――そもそも対価を払ったのは誰だったのか、ということにも。
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