白日
千日出版の教育部門で課長を務める秋吉に衝撃的な情報が入った。
事業を率いる梶原局長の中3の息子が、謎の転落死を遂げたというのだ。
部署が一大プロジェクト――大手進学塾と合併し社を独立、IT企業との提携のもと、最新技術を駆使した[引きこもり・不登校対策]を打ち出す新時代の高校を開校――に臨んでいたときだった。
プロジェクトは一時中止になり、事故ではなく自殺という噂が社内では急速に広まる。
秋吉は部下の前島と調査を開始するが、人事課の飴屋から警告される。
以前から、社長派と専務派が対立する社内。
会社の上層部は秋吉に隠蔽を働きかける。
少年の死という状況のもと、彼らが気にするのは自社の利益追求と保身だった。
信頼できない上司、暴走する部下、情報戦の様相を呈す社内派閥抗争……。
もはや社内に信用できる者はいない――。
子どもたちの未来のために新しい学校をつくる、その志を持って教育事業を推進してきた秋吉の運命は。
少年の死の真相は。
現代社会の欺瞞を暴き希望のありかを探る、明日のサラリーマン・エンタメ!===会社組織の中で生きる者として、そして、一人の父親として、いかに「人間」でいられるか――。
第10回〈山田風太郎賞〉受賞作家の会心作!
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