川上稔 短編集
・『総統閣下の塔』 「ヘロー ヘロー 少年達、少女達、今日も悪いおじさんが抵抗の曲を聴かせよう」僕達の町には総統閣下の像と呼ばれる通信塔がある。
戦争が終わり塔が取り壊されると知った僕が、その塔を昇ろうと衝動的に挑んだ処から始まる、これは、誰も彼もに聴かせる物語。
・『天使の解釈違い』 「ちょっと旅行行ってくる」結婚して二十数年の熟年天使夫婦。
ある日、夫が二週間家を空けたと思ったら若返って帰ってきた? しかも手土産まで持って。
妙に親切になった夫に違和感を感じた妻は、調査を開始する。
・『黄金周環』 「──この日、この夜、時間がチョイと狂うんです」連休中も仕事に追われ疲れていた僕は、帰宅のためタクシーに乗り込んだ。
『ちょっと、遠回りしてみませんか』「いいよ、どのくらい?」『そうですね、’どのくらい’、戻ってみたいですか』ゴールデンウィークの夜を走る取り返しの物語。
・書き下ろし短編『幸いの人』 「君を神の下に導くよ」突然の姉の失踪とともに目の前に現れた彼。
白の服を着た青年は私の問いかけに、見たことのない表情で頷いた。
不幸な女と言われる私と、彼の距離感。
「それを信じない私じゃないわ」・『禁書区画で待ってる』 「手紙を送る! ──そして、必ず会おう!」東の大図書館には幽霊の司書がいる。
本当の話だ。
戦後200年、政治的にも’物理的にも’東西真っ二つに分けられた国が併合するとき、廃止となる禁書区画で願う、彼女の区切りの物語。
川上稔が贈る、最高に尊くて卒倒する珠玉のラブコメ短編集! 書き下ろし含む5本の他に、BONUS TRACK『ライブ’黒死無双’』を収録!
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