中学生の清良は図書室登校をしている。<br />他人の大声や暴力的な言葉が怖くて、教室に入れなくなってしまったのだ。<br />けれど静謐で穏やかだった図書室も最近すこしおかしい。<br />生徒の集まるネット掲示板に不穏な噂話が書き込まれ続けているのだ。<br />特に’ダンテ’の発言は過激で、皆がその話をするようになっていた。<br />そんなある日、清良は同じ図書室登校だという眼鏡の少年と出会う。<br />しかも彼は本と話せると言い、黄金の『神曲』を紹介してくれるのだけれど――。<br />