1984
1984年、世界は〈オセアニア〉〈ユーラシア〉〈イースタシア〉という3つの国に分割統治されていた。
オセアニアは、ビッグ・ブラザー率いる一党独裁制。
市中に「ビッグ・ブラザーはあなたを見ている」と書かれたポスターが張られ、国民はテレスクリーンと呼ばれる装置で24時間監視されていた。
党員のウィンストン・スミスは、この絶対的統治に疑念を抱き、体制の転覆をもくろむ〈ブラザー同盟〉に興味を持ちはじめていた。
一方、美しい党員ジュリアと親密になり、隠れ家でひそかに逢瀬を重ねるようになる。
つかの間、自由と生きる喜びを噛みしめるふたり。
しかし、そこには、冷酷で絶望的な罠がしかけられていたのだった――。
全体主義が支配する近未来社会の恐怖を描いた本作品が、1949年に発表されるや、当時の東西冷戦が進む世界情勢を反映し、西側諸国で爆発的な支持を得た。
1998年「英語で書かれた20世紀の小説ベスト100」に、2002年には「史上最高の文学100」に選出され、その後も、思想・芸術など数多くの分野で多大な影響を与えつづけている。
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