まほろばの鳥居をくぐる者は
神社の娘、宮子の初めての友達は、『幽霊』だった。
幼い頃から’視える’力を持つ宮子にとって、それはごく自然なことだったのだ。
ある日宮子は、母親を凄惨な事件で亡くし、壊れそうな心と向き合うため修験者の弟子となった少年・寛太と出会う。
「あいつは死んでいる。
お前ももう、わかっているんだろう?」寛太に現実を突きつけられた宮子は、この世に未練を残す魂――友達を【あるべき姿】に戻すことを決意するのだった。
以来、互いに’視える’ことで感覚を共有し、’正しく’心を育てる寛太に惹かれていく宮子。
そんななか、寛太の母親を殺した犯人の判決が下される。
宮子は憎しみと後悔で揺れ動く寛太の救いになりたいと願うが、寛太は「女人に触れない」というさらに厳しい戒を己に課してしまい――!?
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