老老詐欺グループを仕切っていた光代は、メンバーに金を持ち逃げされたうえ、『黙っていてほしければ、一千万円を用意しろ』と書かれた脅迫状を受け取る。<br />要求額を用立てるために危険な橋を渡った帰り道、へらへらした警察官に声をかけられ――。<br />第71回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した表題作「偽りの春」をはじめ、’落としの狩野’と呼ばれた元刑事の狩野雷太が5人の容疑者と対峙する、心を揺さぶるミステリ短編集。<br />