高貴な出自ながら、悪僧(僧兵)として南都興福寺に身を置く範長は、都からやってくるという国検非違使別当らに危惧を抱いていた。<br />検非違使を阻止せんと、範長は般若坂に向かうが──。<br />著者渾身の歴史長篇。<br />