入宮した姉は一年たらずで遺体となり帰ってきた――。<br /> 大海を跨ぐ大商人を夢見て育った商家の娘・水鏡。<br />しかし後宮へ招集された姉の美しすぎる死が、水鏡と陰謀うずまく後宮を結びつける。<br /> 宮中の疑義を探る皇太弟・文青と交渉し、姉と同じく宮女となった水鏡。<br />大河に浮かぶ後宮で、表の顔は舟の漕手として、裏の顔は文青の密偵として。<br />持ち前の商才と観察眼を活かし、水面が映す真相に舟を漕ぎ寄せる。<br /> 水に浮かぶ清らかな後宮の、清らかでないミステリー。<br />