神去り国秘抄
十年前に日輪が消えた国、照日原。
その辺境の郷の姫・かさねは狐神の花嫁に選ばれる。
だが花嫁とは、日照不足で不作続きの郷を救うための贄を意味していた。
知らずに狐に喰われかけたかさねは、金目の青年・イチに助けられる。
見返りとして彼が要求してきたのは、日輪を司る日神に会うためにかさねの「力」を貸すことだった。
戻る場所のないかさねはしぶしぶ同行を決める。
しかしイチこそが日輪が消える原因を作り、都から追放された皇子だと気づき――。
運命に抗うための旅が、今始まる。
心揺さぶるファンタジー開幕。
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