子狐たちの災園
6歳の奈津江には、不思議な能力があった。
誰かが失くしたものを探し出すことができるのだ。
優しい両親とともに穏やかな日々を送る奈津江だったが、突然、立て続けに両親を失うという不幸が彼女を襲う。
さらに、両親は自分の実の親ではないと知らされたのだ。
呆然とする奈津江は、実姉を名乗る深咲に連れられ、父が経営する子どもたちの施設’祭園’に引き取られることになる。
そこに暮らすのはわけありの少年少女たちだった。
周囲を取り囲む黒い鬱蒼とした森、施設内をさまよう狐面の女、廃屋と化した’廻り家’と呼ばれる奇怪な祈祷所。
やがて、奈津江の秘密が明かされるとき、惨劇が幕を開ける――。
怪異と謎に溢れた極上のホラー・ミステリ。
『災園』を改題。
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