半月の夜
「いくつになっていたって、私には未来がある」スーパーのレジで働く立花カオル。
五十五歳になった今、瞼はたるんで足は象のようにむくみ、転がるように醜くなった。
何を見聞きしても感情の針が動くことはなく、すべてのものが灰色に見えていた。
寝るためだけの六畳間の自宅とパート先を往復するだけの、ひたすら「孤独」で味気ない毎日。
家に帰るといつも「灰色のハイエナ」に見られているような幻影に悩まされていた。
しかし、ある偶然の再会によって、カオルは新たな生きる希望を抱きはじめ……。
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