50歳を過ぎ、両親の介護のため大好きな仕事を辞めた大原夢路。<br />親友と出かけた帰り、地震で電車が止まった日から、奇妙な夢を見るようになった。<br />緊急停止した電車に閉じ込められ続けるのだ。<br />ある時、夢の中で誰かの異様な悲鳴が上がる。<br />不思議に思った夢路が意を決して車内を捜索すると、彼女の本能が恐怖を訴える存在がいた。<br />’それ’は人の生気を吸う謎の生物、「三春ちゃん」だった――。<br />大人のための壮大な群像劇、SF界の名手による新たなる代表作!