人喰い三部作
その夜、魔物が手に入れたのは、彼だけのママだった。
海沿いの王国ガーダルシア。
トトと呼ばれるその少女は、確かな魔力を持つ魔術師の血筋サルバドール家に生まれた。
しかし、魔術の才に恵まれず、落ちこぼれと蔑まれていた。
そんなある日、神殿の書庫の奥に迷い込んだ彼女は、数百年前に封印されたという〈人喰い〉の魔物と出会い――。
「ねぇ、ママって、なに?」これは、人喰いの魔物と、彼のママになろうとした少女の、切なくも愛おしい絆の物語。
全編に亘り修正を加え、王国の末姫の回想を描いた掌編「黒い蝶々の姫君」を初収録。
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