大学院生・吉原は指導教授・鴫沢の心証を良くする為、教授主催の香席に参加する。<br />そこで、20歳も年の離れた妻・佳子の作法を執拗にしかりつける教授を目にする。<br />香席の後、吉原は佳子のお供として水墨画の展覧会に行くよう教授から頼まれる。<br />一緒に出かける内に少しずつ惹かれあう二人。<br />そんなおり、教授が脳梗塞で倒れ、後遺症で痴呆になり…。<br />織田作之助文学賞佳作受賞者が、嫉妬の深さと、性愛のうねりを濃厚に描く。<br />