憧れていたあの人が想うのは兄。<br />弟の自分は疎まれていた――死を願われるほどに。<br />その哀しい記憶から十三年、航希は兄の采登が失踪したことで焦がれていた男・莉一と再会する。<br />采登の借金を肩代わりするという莉一は、その代償として自分が愛した采登の代用品になることを航希に求めた。<br />甘い言葉も優しい愛撫も、自分へのものじゃない。<br />抱かれるたび傷つきながらも、莉一への想いは今なお降り積もる…。<br />狂おしくて甘い、危うい愛。<br />