「馬の首」と呼ばれる暗黒星雲には、犬に似た知的生物が住む星があった。<br />ところがここで戦乱が勃発、戦闘は急速にエスカレートしていく。<br />この機に乗じて一儲けをたくらむ行商人「戦争婆さん」もその波に呑まれ、4人の息子たちがひとり、またひとりと戦渦に巻き込まれていく。<br />彼らの運命は、一大宇宙船の趨勢を決定づけることになるのだが……戦果の悲惨さ、滑稽さ、カッコよさ、すべてを内包して疾走する、筒井康隆第2長編SF。<br />〈解説・日下三蔵〉