十八歳の誕生日を迎えたのをきっかけに、深夜バスに飛び乗って秋田の街を飛び出した。<br />都会ならば職などすぐに見つかると思っていた。<br />けれども、現実はそんなに甘くない。<br />途方に暮れた私は新宿で出会った康介に連れられて、郊外のヌード劇場にたどりついた。<br />踊り子として楽屋に住み込み、初舞台を踏んだ。<br />淡い後悔と、それ以上に奇妙な充実感があふれている。<br />ただひとつ、深夜の劇場に幽霊が出ることを除いては――。<br />