初恋は坂道の先へ
彼女が消えた。
一冊の本とともに。
小学校の教師をしている25歳の研介。
ある日、恋人の品子に一冊の本が届くと、彼女は失踪した。
本の贈り主は品子が以前話していた「忘れられない初恋相手」なのか? 場面は変わり、中学2年生のしなこは敬愛する小説家、日向の家に通っていた。
日向には、海人という不登校の孫がいる。
彼は本をばらばらにする謎の行動をしており、その取っつきにくい性格に初めは馴染めなかったしなこだが、徐々に交流を深めていく。
舞台は夏、物語は、大人のパートと中学生のパートが交互に進んでいく。
品子はなぜ失踪したのか? ふたつの物語は終盤で見事に絡み合い、‘目をつむって走り抜けると10年後の自分が見える’という伝説のある「未来坂」でのエピソードにつながっていく……。
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