誰もない隣のベッドから、カーテン越しに何者かの声が聞こえてくる。<br />殺風景な白に囲まれた入院生活を送る沙織は、気のせいだと自分を言い聞かせるが、不安な日々が続いていた。<br />そんなある夜、研修医の深町先生がベッドにやってきて、沙織に密やかな大人の診断をしてゆく。<br />優しく、ときに意地悪でお兄さんのような深町先生によって、いつしか沙織は快感に溺れてゆく。<br />カーテンの隙間から視線を感じながら――。<br />