日下雄征は旗本の次男坊である。<br />芸者の鶴次と情を交わし、好物のかりんとうを囓り、呑気に日々を過ごしていた。<br />しかし、黒船の来航によって、世の中は大きく変わろうとしていた。<br />先行きに不安を抱く雄征は、駆け出しの戯作者、鈍亭(仮名垣)魯文と出会い、自分の道を探っていく。<br />幕末を舞台にした青春時代小説。<br />