婚礼直前に屋敷を逃げ出した竜子姫を助け、石川島で大捕物を仕掛けた‘若様’奥山右京之介。<br />まんまとせしめた大金を仲間に配り、風のように江戸から消えた。<br />そして季節が秋から初冬へと移る頃、若様は播磨国仙崎藩にフラリと姿を現す。<br />此度の狙いはなんと、豊臣秀吉が多田銀山に隠したと伝わる七億両もの埋蔵金。<br />仙崎藩のお家騒動に便乗し、若様は仰天の秘策を打つ。<br />芥川賞作家、入魂の書き下ろし。<br />