市民楽団のヴァイオリニスト・宇田川匠は同じパートの涌井朱音と懇意になり、ある夜に19世紀メキシコで起きた「死者の日」の出来事を語り出した。<br />それは人の血を吸い、能力を奪い、永遠に生きる<夜の種族(ナイト・ブリード)>が人間の女に恋をする物語だった。<br />東京とメキシコ――千年の時を超えて交錯する二つの物語の結末は幸せか、破滅か……。<br />魂を揺さぶる幻想ミステリー。<br />