吉田伊知郎の唯一の慰めは、勤め帰りに立ち寄る飲み屋での一杯。<br />長年連れ添った妻に去られたほろ苦い記憶は、いつしか彼を大人の男に成長させていた。<br />今宵もひとり酒を楽しむ伊知郎の前に、悩める美女が現れる。<br />盃を重ね、飲むほどに酔うほどに心と体を開いていく二人。<br />切なくも淫らな夜は更けてゆき――。<br />人生のほろ苦さ、男女の愛しさを情緒豊かに描く’遅咲き大型新人’、渾身のデビュー!