元・六国デパート副社長秘書の十文字多恵子が自宅マンションで絞殺された。<br />十津川警部は、被害者の分不相応な豪華マンションでの暮らしに不審を抱くとともに、多恵子が書いた「修善寺わが愛と死」という小説に興味を持った。<br />その小説は、鎌倉幕府三代の興亡にことよせて、社長が次々交代している六国デパートのお家騒動を描いているようだった。<br />十津川は、事件の背後にうごめく闇を追い始めた。<br />