芸人になることを諦めた池上省吾は、便利屋でアルバイトをしていた。<br />ある日、古びたボクシングジムの前で佇む女性を見かける。<br />聞くと、ジムに立ち退きを迫っているらしい。<br />一枚かんで金儲けをしようとジムに通うようになる省吾だが、そこでひとりの若いボクサーと出会い、ボクシングに魅力を感じ始める。<br />やがて省吾自身の中であることが……。<br />『罪の声』の著者が、綿密な取材を重ねて描いた意欲作。<br />息を詰めるボクシングシーンや人物の深い心理描写はまさに圧巻!