公園から忽然と姿を消した三歳の琴美。<br />両親は必死に捜すが、一向に見つからない。<br />――22年後。<br />自堕落な生活を送る幸子のもとに、一通の手紙が届く。<br />差出人は、消息不明の妹を捜し続けている男だった。<br />同じ頃、浜名湖畔で楓は父親の誠司とペンションを営んでいた。<br />ある日を境に、誠司に対して不信感を抱く楓。<br />父は何か秘密を抱えて生きているのではないか。<br />交わるはずのなかった人生が交錯したとき、浮かびあがる真実。<br />切ない想いが胸を満たす長編ミステリー。<br />