奸臣を渾身の芝居で討ち果たし、晴れて辻ヶ浦藩六万石の若君として迎えられた恋之介。<br />一方、看板役者を失った揚羽座は不入りが続き、弟子の剣豪、堅四郎は師の幸せを祈りつつも寂しさを隠しきれない。<br />そして、同じく恋之介の不在に耐える雪ノ丞に邪悪な魔の手が忍び寄る――ままならなくもいとしい人生の哀歓を描く傑作時代小説、堂々の千秋楽!!