公設秘書を勤めている代議士の引っ越し作業を手伝っていた石岡は、これまで意識していなかった代議士夫人からエロティックなものを感じ、当惑する(「汗淫」)ほか、19年前に一度だけ思わぬ関係を持った画家と人妻の再会譚や、エリート官僚の妻があることをきっかけに不倫の関係に踏み出すなど、人妻が淫らな陥穽に落ちていく心情を描いた短編7作を収録した、珠玉の官能短編集。<br />