絶世の花魁、篝火が吉原に君臨するようになって早や1年余。<br />今宵も引手茶屋に呼び出された篝火は、相手が坊ちゃん医者と見るや、無残に振ってみせる。<br />それもそのはず、この美しき傾城の正体は、幼少より廓に匿われし尾張家の御落胤、徳川竜之進! 日頃の憂さを晴らすべく極秘の隧道から町に繰り出した竜之進は、瓦版屋の楓が書いた’美女の生き肝を食らう鬼女’の記事を見せられるも一笑に付す。<br />だが、裏には巨悪に繋がる恐ろしい陰謀が隠されていた!