海賊船は正紀らの活躍で退治したが、頭の鮫五郎は海中に身を投げた。<br />四千俵もの米俵と高級昆布類は行方不明になった。<br />同時に後ろ盾になっていた磯浜屋伝兵衛も、捕縛の手を逃れて水戸城下から姿を消した。<br />この背後には、水戸藩御側用人友部久左衛門の存在が大きい。<br />友部は手に入れた金を、府中藩の世子問題に利用し、勢力の拡大を図っている。<br />府中藩領内の行方郡には、一揆の火種がのこっていた。<br />好評シリーズ第十弾!