娘を殺されながらも極刑を望まなかった半田龍樹は、妻とも別れ、小さな居酒屋を始めた。<br />一見、平穏に流れる日々――。<br />だが、常連客は知らなかった。<br />龍樹の陰の’制裁’を。<br />卑劣な罪を犯しながらも逃げおおせた者を執拗に追跡し、淡々と運命の引き金を引いていく龍樹。<br />黒い血に塗れた両の手は、やがて思いがけない事態を引き寄せてしまう。<br />人間のダークサイドを容赦なく抉り、読後はなぜか救われる衝撃のデビュー作。<br />