高校の修学旅行で人形浄瑠璃・文楽を観劇した健は、義太夫を語る大夫のエネルギーに圧倒されその虜(とりこ)になる。<br />以来、義太夫を極(きわ)めるため、傍からはバカに見えるほどの情熱を傾ける中、ある女性に恋をする。<br />芸か恋か。<br />悩む健は、人を愛することで義太夫の肝(きも)をつかんでいくーー。<br />若手大夫の成長を描く青春小説の傑作。<br />直木賞作家が、愛をこめて語ります。<br />