静香というよき伴侶とともに初めて迎えた正月、平手家の門前に鳥追の女が現れた。<br />おつたと名乗るその女は七年前、無理心中を強いられ苦しんでいたところを、又兵衛の父に救われたのだという。<br />だが父又左衛門が亡くなったのは十一年前。<br />困惑する又兵衛だが、この出会いをきっかけに、父の死の真相を知ることとなる――。<br />怒りに月代朱に染めて、許せぬ悪を影裁き。<br />時代小説界の至宝、坂岡真が贈る、令和最強の時代シリーズ第四弾!