幼馴染みの槇人と五夏は、普通の学生として学校に通いながらも、術者として仕事を受けている。<br />五夏は穢れを祓い、カミを降ろす。<br />だが槇人は、カミをその身の裡から顕現させる。<br />槇人はオニとも称されるカミ憑きなのだ。<br />そして、そんな彼と並び立ち、鎮められるのは五夏だけ。<br />「喰らい尽くして、誰にも渡したくない」と飢えに衝き動かされ、首筋に歯を立てる槇人を宥めて──。<br />