慎ましく過ごしている友人の圭一。<br />薙久はそんな彼が大切だった。<br />圭一もまた、薙久のことを大切に思っていた。<br />友人として。<br />二人ともそれ以上を求めてはいなかった。<br />ところが、圭一が弟である馨に請われて抱かれた時から、その関係は変わっていく。<br />熟れた身体の圭一を目の当たりにした薙久は、おののく彼の肌に触れて恋を思い知らされる。<br />全部が欲しいとは言えないけれども──。<br />