憑いた霊を引きはがす呼児の周には、それを彼岸へ封じる戻児で唯一の対でもある双子の妹がいた。<br />その妹を亡くして以来、周は力を使おうとせず鬱々と生きている。<br />突然同居することになった親戚の西門にも、胡散くささしか感じなかった。<br />けれど、胸中の痛みを覗かせる彼の言葉は、周の心をほぐしていく。<br />戻児である西門と仮の対となり、妹の死に繋がる怪異を追ううちに周は……。<br />