不本意な婚約は冬の朝に
遊び人として知られる、子爵家の跡取りフレディは、親友のデイヴナム男爵から留守のあいだ、妻の妹たちの面倒を見てくれと頼まれる。
‘妹たち’といっても本当は血のつながらない乙女たちが、男爵夫人の姪として、ふるまっているだけなのだが……。
しぶしぶ引き受けたフレディだったが、気乗りしない原因は姉妹のひとりダマリスだった。
彼女がいると、いつもの‘軽薄な放蕩者’でいることができなくなってしまうのだ。
ある朝、フレディはダマリスが貧民街へ入るところを見かける。
彼女は自分の夢をかなえるため、内緒で磁器の絵付けの仕事をしているのだという。
自分でもよくわからない気持ちに駆られ、フレディは毎朝送り迎えをすることに。
早起きなどしたことがなかったのに、その日から朝靄(あさもや)の中をダマリスと歩くのが、なぜか楽しみとなったのだった。
そんな時、結婚しない息子に業を煮やした両親が花嫁探しのパーティを開くと知ったフレディは、結婚願望はないというダマリスに、婚約者の<ふり>をしてくれと頼むのだが……。
結婚をあきらめたダマリスと、放蕩者を演じ結婚から逃れようとするフレディ。
偽りの婚約者となったふたりの秘密のゆくえは――? 大好評<チャンス姉妹>シリーズ!
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