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「超」怖い話 鬼市(分冊版)

著書曰く、本書はありとあらゆる怪異を「雑煮のごとく放り込んだ」救いなき一冊である。
目次には、それこそ市のように、極彩色の恐怖が尋常ならざるオーラを放ちながら犇いている。
誰かに読まれることを希求し、熱く揺らめきながら並んでいる。
そのどれもがおぞましく、ひとたび頁を繰ったならば、ただでは済まされぬ毒気を孕んでいる。
それだのに、我々の指は止まらずに禁断の扉を押し開けてしまうのだ……。
それが人間の業であり、すべての怪異の大本でもあるように思う。
恋も恨みも一線を越えれば鬼となる。
理性と良心はいともたやすく侵蝕され、暗い欲望に身を任せる悪鬼となってしまうのだ。
実話怪談を読むこと――それは体験者の生涯に素手で触れるようなものだ。
その業に、鬼に、触れる……どうか覚悟を持って読んでいただきたい。
※本コンテンツは単行本「「超」怖い話 鬼市」に収録の『デッドスペース』と同一です。




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