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ナチスの聖杯

チャーチルが畏れた鉤十字の魔力--血染めのハーケンクロイツの下、銃声が進軍歌にこだまする。
敵の屍を乗り越え、ヒトラーは覇道を突き進む。
モンセギュール城を接収して以来、ナチスの親衛隊は厳密な時間割に従って発掘作業を進めていた。
トリスタンは目的を知らされることもないまま奴隷のように使役されていたが、そのさなかにも、カタリ派最後の要塞に秘められた真実が少しずつ明らかにされていく。
やがてトリスタンたちは、何世紀も前に封印されていた聖域へと続く入口を発見する。
《光が闇に差し、闇はこれを拒んだ》――聖書の言葉がまるで道を示すようにして導いたのだ。
はたして、地下道を抜けた先に待ち受けていたのは、ルビーのように赤い鉤十字。
それはチベットで発見された鉤十字と同じ、神秘の輝きをまとっていた。
親衛隊を率いるヴァイストルトが第二の秘宝を手にしようとしたちょうどその時、洞窟の中に銃撃音が鳴り響き、マローリーが現れる。
部下のジェーンと夫婦を装ってフランスに入国したマローリーは、現地でレジスタンスと合流。
ナチスが狙う秘宝を奪取すべく、モンセギュール城に突入したのだ。
第二の秘宝を挟み、独英仏がついに激突する!同じ頃、ドイツ労働者党副総統ルドルフ・ヘスはメッサーシュミットを駆り、一人海上を飛んでいた。
ヘスが目指すのはイギリス。
ヒトラーの腹心であるはずの彼が、なぜ単独で敵国に向かうのか?すべてを手にした者は世界を制するという四つの秘宝。
鉤十字を象った古代の遺物を巡る戦いは、ますます混迷をきわめていく――。
著者についてエリック・ジャコメッティEric Giacometti『ル・パリジャン』誌などで活躍するジャーナリスト、作家。
執筆活動の傍ら、フリーメイソンと因縁が囁かれるコートダジュール事件の調査などにも携わる。
著作に累計220万部を突破した「マルカス警視」シリーズがある。




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