短大を卒業し、デザイン事務所で働く西野は、東京での日々に流されるままに生きてきた。<br />そんな日常の中で、ふと意識しだした年下デザイナー伊藤の存在。<br />どこか不器用な二人がともに歩き始めるには、今この瞬間に交わすキスが必要だった(表題作)。<br />キスにまつわる温かくて切ないシーンを、やわらかな筆致で描いた短編集。<br />